【疾患】 高血圧

● 漢方からみた高血圧

はじめに、「わかり易い実践的な漢方」【陰陽】【疾病発生のメカニズム】【人体の陰陽の変化と治療原則】【治法・治療の原則】(標と本)を参照ください。

高血圧症の治療での漢方の特徴は、ただ単に血圧を下げるのではなくて、人体の陰陽の平衡を調整し、根本的に高血圧発症の内在する原因を取り除くことです。このことが、現代医学の降圧剤を使って単に血圧を下げるというだけの、高血圧症の治療と根本的に異なる点です。
全体をみて、内在する病因を取り除き、陰陽の平衡を調整することによって、人体全体の調子を平常な状態に導き、不都合な症状を修正し、その結果として高くなった血圧を下げるということです。
それで、ここで一番大事なことは、陰陽の平衡と内在病因の除去ということです。この二つを実行することによって、人体は健康になり、血圧も正常範囲を保つことができます。

高血圧症の陰陽の平衡の崩れかたには、色々な型があります。
一般に用いられているのは、主に次の五つの型です。
・ 陽亢型
・ 陰虚陽亢型
・ (肝腎)陰虚型
・ 陰陽両虚型
・ 陽虚型

各型に用いられる漢方方剤は、その特徴の症状によってそれぞれ違ってきます。高血圧症で、<標>と<本>がある場合には<標>と<本>を同時に治療しなければならない。
この場合の漢方方剤は、<標>と<本>の違いによってそれぞれ異なったものになります。

高血圧症の<本>の分類
症状の特徴共通症状
陽亢型顔面紅潮、口苦、便秘、尿黄赤、易怒めまい
頭痛
頭重
陰虚陽亢型
 偏 陽亢
 偏 陰虚

顔面紅潮、目が赤い、イライラ、易怒
腰膝の痛み、耳鳴り、不眠、ほてり
(肝腎)陰虚型耳鳴り、腰膝の痛み、歩行困難、動悸、不眠、小便頻で量少、大便乾少、ほてり
陰陽両虚型目のかすみ、耳鳴り、腰痛、下肢無力、寒がり、下肢の冷え、口乾咽燥、舌淡
陽虚型寒がり、顔色青白い、小便清長、腰痛
高血圧症の<標>の分類
症状の特徴
(内)風顔、手足のしびれ、視力減退、よくしゃべれない、舌がもつれる
血淤顔色黒ずむ、皮膚ガサガサ、手足のしびれか痛み、血液粘度高い
めまい、頭重、胸苦しい、肥満、痰を吐く、むくみ

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