疾病発生のメカニズム

疾病が変化発展していくメカニズムは、邪正闘争、陰陽失調という二つの病理変化である。

1.邪正闘争

邪正の闘争は、発病素因と人体の正気(抗病能力、免疫力)との相互作用を指しており、これは疾病の発生と発展に関与しているばかりでなく、疾病の予後や転帰をも決定するものである。疾病の発生〜転帰は邪正闘争の過程でもある。

2.陰陽失調

《素問・生気通天論》に「陰平かにして陽秘すれば、精神乃ち治る。陰陽離決すれば、精気乃ち絶ゆ」とある。「陰平かにして陽秘す」とは、人の正常な生理状態の発生には、必ず動的な陽と静的な陰が、つまり陰と陽の動静が互いに感銘し合ってはじめて健康であり、生々息々として生命を保つことができるということである。
「陰陽離決す」とは、人体における陰と陽の力関係がバランスを失い、相互依存、相互制約、相互資生の関係がくずれ、分離決裂した状態となることで、つまり死亡を意味している。陰陽失調とは、陰陽双方の力関係が相対的に偏勝偏衰の状態を呈することで、疾病のあらわれにほかならない。


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