【診断】

診断とは、疾病を診察しその病がどのような症状群から成り立っており、弁証論治のどのような証候分類に属するかを判断する手段である。つまり漢方における診断とは、具体的にどの証候分類に属するかを診察によって判断する一方法である。
その基礎になる陰陽五行、臓腑、経絡、病因、病機など常に頭において診断を進めていかなければならない。ただ漠然と症状を一つ一つ拾うのではなく、最後は証候分類に到着し、疾病の治療を行う過程の一手段であることを忘れてはならない。そもそも、人は自然界における動物中のホモサピエンスに過ぎず、四囲の事物と常に関わりをもって生活している。
自然界の変化は、必ず人体内部の臓腑の活動に影響を与える。どんな疾病もその発生、発展、予防、回復などは、みな自然の気候の変化、地域、生活環境、体質の強弱等と密接な関係をもっている。
私達は症状を観察し疾病を判断するときは、このような客観的要因と人体の変化とを結びつけて、総合的に正確な結論を下さなければならない。このような考えのもとに、人の精神状態、顔色、声、臭い、脈象、身体の様子などの証候のいろいろな面の変化の一部始終を詳細に診察し、これらを相互に比較して総合的に分析する必要がある。そこで大切なことには三つある。
第一に自然の気候が人体に及ぼす影響、第二に人体の素質並びに臓腑の状況、第三に精神状態の変化や生活環境の人体への影響である。

証候分類

八綱で得られた表裏寒熱虚実は、あくまでも初歩的概念としての分類であり、治療に際しては病因、臓腑経絡の位置、病機の変化の推移、病の発展の経過をよくつかみ取らなければならない。そのためには、症候群をただ漠然と羅列するのではなく、ある一定の規則に従って系統的に証候を分け、何がしかの類型に分類し、この分類によって疾病を識別することがより大切である。
その方法として、後述する各種弁証法があり、これらを使うことによって治療の真の目的を達成することができる。


back