山口の銘有り 蟹の図
非常に小さいサイズなので、大正時代位の女の人ががま口や煙草いれに付けていた物と推測します。
素材は鹿角と断定、しかしながら、髄の部分を巧みに避けて彫刻しているので一見象牙風に見えます。若干青っぽい色になるので、象牙とは違うことがわかります。
それと、爪の一部に鹿角特有の緑色っぽい色の変化があります。
小さいながら誠に作が良く、丁寧な仕事をしています。
同一題材でもっと質の悪い、彫りの良くない物がたまに市場に出ますが、それらとは比べ物にならない出来です、銘も丁寧に彫られています。
時代は前述のごとく、大正時代と推定。
江戸式の生活様式から、徐々に洋装へ世相が変わっていき、根付も小型化していくという事が判る品物です。俗っぽく判りやすく表現すると、朝の連続テレビ小説「花子とアン」位の年代のものです。
その後、このサイズの物は現在でも細々と売られていますので、現代においてはこの大きさの物の方がスタンダードという事になります。
販売価格 100000円 |