一口根付書評B 
淡交社 「根付 たくみとしゃれ」荒川浩和編

タイトルのとおりに根付という物を装飾品として、どのように使用されていたか、を中心に編纂されています。

煙草入れの各部説明、印籠についての詳細な解説、著名な収集家のコレクションについての章、および巻末に現代根付の作者についての解説や図版が掲載されています。

収集を始めようとなさる方や、江戸時代の装身具としての印籠やたばこ入れについて知りたい方にお勧めできます。

私が一番心に響いたのは、ジャック・カレー氏の「貴方は何派の根付師の作品が一番好きか?」という問いに対して「無銘の根付師の作品が一番好きだ」と答える箇所です。

銘の無い匿名性の中に、生活に密着した雑器としての「用の美」があり、作家性を主張しない静かな、力強いメッセージのような物を感じる、という事を氏は言いたいのだろうと思いました。

銘の有無に惑わされず、本当に心に訴えかけてくる品を求めなさい、という事もあわせて語られており、氏の根付に対する愛着や理解は非常に示唆に富んでいると感じた。

図版も非常に綺麗ですし、古書としての価格も安価ですので、是非ご一読ください。

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