根付 双魚の図
柘植 江戸時代

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材質は柘植だと思います。
二匹の鯉が巴紋のようにからまっている図です。
数世代による日常的な使用によって、魚の顔の部分が摩滅しています。

このような状態になるまでにはすくなくとも百年単位で品物を受け継がれてこなければならないため、この根付が古い品物である証明だと思います。

黒い漆により色付けされており、それが摩滅によってよい味わいの「なれ」を生じています。

このようになる為には、一つ条件があります。

それは、日常的に根付のあたる衣服が、木綿ではなく、絹織物である事が必須と思われます。

意外にも絹は木綿よりも「固い」繊維なので、根付を摩滅させるためには絹を常用している階級、すなわちある程度の裕福さをもった人によって使用されている必要があります。
大店の大番頭や主人により愛用された物と推測します。

江戸時代中期と推察。無銘ですが、彫りも見事で味わいがあります。

\25000


   
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