腎臓癌
1、早期発見の主役、腹部超音波検査:
 腎臓癌は初期は無症状であることが多く、早期発見が困難とされていましたが、最近は健康診断での腹部超音波検査の普及でごく早期の段階で発見されるケースが増えています。中には1cm前後で見つかる場合もあります。

2、診断の中心、造影CT検査:
 腎臓癌は血管を作り出す能力が高く、造影剤を注射して行うCT検査が診断の中心となります。腫瘍が造影される場合はほとんどが腎臓癌です。施設によっては血管造影検査が行われますがこれは腕や脚の血管から腎臓の近くまで細いチューブを挿入してここから造影剤を注入して写真をとります。

3、治療の基本、根治的腎臓摘出術:
 腫瘍だけでなく腎臓全体とその周囲の脂肪(副腎という隣接臓器を一緒に取る場合があります)をとるのが基本です。以前はお腹を大きくあけて手術が行われていましたが最近はより負担の少ない背中からの手術を行う施設も増えています。埼玉県立がんセンターでは傷の大きさを最小限にとどめており、術後の痛みの軽減、早期の回復に役立っています。

4、小さな癌では腎臓部分切除も可能:
 
4cm以下の小さな癌であれば癌とその周りだけを切除することも可能です。反対側の腎臓に問題がある場合などは特に有用です。
腎臓癌の血管造影
Department of Urology, Saitama Cancer Center