筋層浸潤膀胱癌に対する抗癌剤・放射線併用療法
     <膀胱を摘出せずに済む患者さんが増えてきました>

膀胱癌の治療を決めるときに大事なのは癌の根の深さです。癌が膀胱壁の表面にある粘膜を越えてその下の筋層に達している場合は原則として膀胱全摘手術の適応となります。

 しかしながら最近は抗癌剤と放射線の併用治療が筋層に浸潤する癌に対しても高い効果を示すことがわかってきました。条件がよければそれで癌が消えてしまう場合もあります。

 埼玉県立がんセンターでは抗癌剤の動脈内投与と比較的少ない量の放射線を照射する治療を行い、その後内視鏡で癌のあった場所を深く切除する方法をとっています。もし癌が消えていれば膀胱を取らずに様子をみる方針をとっています。

 現在まで数十名の患者さんが治療を受けられ、膀胱を残したまま元気に生活されている場合も少なくありません。

 ただし癌の状況によっては早期に膀胱を摘出したほうが良い場合がありますので担当医と良くご相談下さい。



Department of Urology, Saitama Cancer Center