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  実家の物置に誇らしげに飾ってある「竹ヤス」。親父の物だ。壁に飾ってある古ぼけた写真を見て「魚を捕る道具」ということは察しがついたが特に関心は持たなかった。「潜って魚を捕るなんてかっこ悪い。」と小学生の俺はそう思っていた。

 海にはウェイクボードで通っていたので、「海は自分を鍛えてくれるフィールド」という尊敬の気持ちは持っていたが、関心はあまり無かった。

 ある時、職場の上司に誘われ素潜りに行くことになった。捕れる魚は20cm前後のメバル。サイズ競争にはならず数取り競争になる。

 実家に帰り親父に素潜りについて話すと「ウェットをやる。」と言う。そして「原付に載せれるからヤスは1mなんだ。」「お前は俺が突いたメバルで育ったんだ。」と目を輝かせて語る。嬉しそうな親父を見て「俺が美味い魚を捕ってきてやるよ!」と豪語。しかし、この時は「ある程度取れるようになればいい。」くらいしか思わなかった。

 何度か海に行くうちに通うポイントが決まってくる。大物を狙っていくのではなく、目の前を通るのを期待するだけ。毎回同じ海。同じ景色。捕れるのはメバルだけ。


 ヤスでそのような魚を捕る事など無理なのでは?と思ったりもした。捕った人間が周りに居る訳でもない。


 ある時、インターネットで「素潜り」で検索。あるHPの存在を知る。そこには巨大な獲物を手にした猛者達がいた。自分達と同じ手銛で捕っていると知りさらに驚く。その瞬間に「これだ!!」と思った。自分を鍛えてくれるフィールドが有り、そして目指す世界がある。この瞬間から俺は魚突きにのめり込んで行くことになる。







スタンスについて


 魚突きは釣りとは違い獲物を選ぶことが出来る。成長過程である魚はスルーするように心掛けています。魚種にもよるが対象は現時点で30cm以上の魚。上達と共に変わってくると思います。旬でない魚もスルーするようにしています。美味しくなるまで待ちましょう。

  HP開設当時は「小さい魚を捕らないで」というメールを多数頂きました。初心者がいきなり大物には出会えず、手銛技術も未熟なために狙いが定まらず違う獲物を突いてしまうこともありました。が、上達の過程でのことで仕方がない場合もあったのではと思います。捕った魚は小さい魚であっても、全て供養と思い食べています。命を頂いて自分達は生きていると。

  素潜りでリスクは有るといえど、魚に対して絶対的に優位なのは変わりません。(鮫などに遭遇しなければ・・・)
ですので小さい獲物は狙わずに「大物」を狙います。そこに向上心が有るのだと。魚との一対一の勝負を制し、頂いた命だからこそ責任を持って食べてあげましょう。


「魚の命を頂き、そして成長する」


 魚突きは楽しいがゲームではない。俺はそう思う。真剣に海と向き合おう。

  尚、ポイントに関する問い合わせには一切お答えできません。海に対して謙虚な気持ちで接しましょう。素潜りは常に危険と隣り合わせであると認識して下さい。